自分が怒られているわけではないのに、周りで怒られている人を見ると強いストレスを感じます。と言う方、もしかしたら、それはあなたが「HSP(Highly Sensitive Person)気質」を持っているからかもしれません。
これまで私のところへご相談に来られた方も、会社で同僚が上司に怒られているのを横で感じているだけで、自分の気持ちまで落ちてしまうという方や、家庭で父親が子どもに対して強く叱る様子を見るのが耐えられない。などの悩みを抱えられていました。
実際私自身も同じように幼少期、学生時代や社会人でも同じような気持ちになることが多々ありました。
HSPの人たちは、他の人の感情に敏感であり、その影響を受けやすいと言われています。
このブログでは、怒られている人を見ることによるストレスと、それがHSP気質と関連している可能性について探っていきます。
■この記事の目次
HSPに人が持つ4つの特性
HSPがストレスを感じやすい3つの特徴
自己認識と受容
感情の境界線を作る 心がリラックスできるものを増やす 大きく環境を変える
■HSP気質とは?
HSP(Highly Sensitive Person)気質は、環境の刺激に対して非常に敏感であり、他の人の感情や雰囲気に影響を受けやすい性格のことを指します。 感受性が高いため、些細なことでも深く感じ、ストレスを感じやすい傾向があります。 HSPアーロン博士が人いちばい敏感な人には「4つの面」があると提唱しています。この4つの気質のどこが強いか弱いかの差は人それぞれですが全ての気質が全て当てはまって初めてHSP気質があると言われています。 HSPの方が持つ4つの特性
【D:深く処理する(Depth of processing)】
深い質問をする
あれこれ可能性を考えて決断できない
行動を起こすのに時間がかかる
物事を深く捉えたり、考えたりしてしまう
大したことがないようなことでも深く考えすぎてしまってなかなか行動できなかったり、慎重すぎる、考えすぎなどと言われてしまいうことも多いです。
【O:過剰に刺激を受けやすい(being easily Overstimulated)】
大きな音にダメージを受ける
暑さ、寒さ、自分に合わない服、濡れたりチクチクしたりする服が苦手
疲れたら静かな場所で一人になりたくなる
人に見られたり実力を試されたりする場面では、普段の力を発揮することができない
痛みに敏感
刺激を敏感に受けやすいのも特徴です。人前で話すと過度に緊張するなども特徴として見られます。
【E:全体的に感情の反応が強く、特に共感力が高い(being both Emotionally reactive generally and having high Empathy in particular)】
物事の一つ一つを深く感じ取る
涙もろい
人の心を読むことに長けている
些細な間違いにも強く反応する
学校の友達や家族、初めて会った人まで、他人のストレスによく気づく
過剰に反応し、かつ高い共感力があることから、自分のことじゃないことに関しても、まるで自分に起こった出来事のように反応してしまうという特徴があります。ドラマや映画などでも感情移入してまう方も多いです。また暴力シーンなど恐怖心や痛みを予想してあたかも自分が恐怖や痛みを感じ割り切って観られないこともあります。
【S:些細な刺激を察知する(being aware of Subtle Stimuli)】
小さな音やかすかな匂いなど細かいことに気づく
人や場所など外見上のちいさな変化に気づく
声のトーン、視線、あざ笑い、ちょっとした励ましにも気づく
些細なことに気付ける敏感さが大きな特徴です。
ストレスや悩みを抱えた状態だとその症状が増して、「人より音量をうるさく感じてしまう」などの特徴も見られます。 さらに詳しい説明はこちらの記事を参照ください。
■怒られている人を見ると感じるストレス
HSPの人たちにとって、怒っている人を見ることは時にご自身が怒られている時以上にストレスを感じることがあります。
その理由は、HSPの特性と深く関わっていて、怒りや緊張といったネガティブな感情が周囲に漂っている場合、HSPの人たちはその感情をより強く受け止めてしまうからです。 HSPがストレスを感じやすい3つの特徴
【感受性の豊かさ】
感受性が人いちばい強いHSPにとって怒りのエネルギーは、HSPさんの五感の感受性を通じて、心身に影響を与えることがあります。
怒っている人の声のトーンや強い口調を耳にする、怒られてる人を目にする、嫌な雰囲気や悲しい雰囲気を感じ取る、など五感から入る刺激全てで感じてしまうのがHSPです。
その他お腹が痛くなる、動機がするなどの体調に影響が出る場合もあります。
【心の境界線が作りづらい】
共感力の高さから相手と自分との境界線を作りにくいのがHSPです。ですので誰かが怒られている姿を見ると自分もまるで怒られているかのような気持ちになり、心が苦しくなるのです。
そしてその状況から助けてあげられない自分に不甲斐なさを感じたり、自分に何かできたのでは??と自己否定を始めてしまい苦しくなることもあります。
【辛い経験を何度も思い出す】
誰かの辛い体験でさえもまるで自分の出来事の様に感じ、またそれが終わったあとも繰り返し何度もその辛い状況を思い出して不安になってしまうことも多々あります。
もしかしたらまたあの辛い状況が続くのではないか??などと感じて不安感に押しつぶされそうになってしまいます。
刺激が入りやすいHSPにとってそのような環境に身を置くことはとても苦しい状況だと想います。
■ストレスの軽減法
もしこのような状況に共感できるようであれば、あなたにもHSP気質があるのかもしれません。
でも、職場や家庭内の環境を変えるわけにはいかない。そんな時はどうすればいいのかをお話しします。
■自己認識と受容
まず第一に、あなた自身がHSPであることを理解し、受け入れることが重要です。 「もしかしたら私、花粉症かも!?」と薄々気付きつつも「いや!私は違う!」と認めずに毎年のように苦しんでいる方とか見たことありませんか? HSPは日本中で5人に1人と言われている気質です。
間違っても病気でもありませんし、恥ずかしい事でもありません。
自己受容するということは、「怒っている人を見ると心が苦しくなる」という事実をちゃんと認めると言うことです。
その気持があるのに何かの理由をつけてその気持を認めないようにとか、仕方がない・・と否定していないですか??
あなたの気持ちを分かるのはあなたしかいません。
そしてこの生きづらさを変えて行けるのもあなたしかいません。
まずはご自身のつらい気持ち、嫌だと思う気持ちを「嫌だったね.苦しかったね」と受け止めてあげましょう。
どんな気持ちも否定せずに受け入れてあげられる心を作っていくことで、今後何が起きても自分で自分の気持ちをコントロールすることができるようになります。
HSPの自己受容を高める3つの行動
【好きな食べ物を食べてみる】
自分の心の声が聴こえなくってしまっている人がHSPには多いです。
そんな人にオススメなのがまずは「好きな食べ物を食べてみる」「好きな飲物を飲んでみる」です。
急に自分の声を聴こうと想ってもなかなか聴こえないもの。
そんな時はこんな小さな日常の中で「自分の好き」にセンサーを向けてみてください。
そうすることでだんだん自分の本音や声が聞こえてくると想います。
【今日できたことを3つ見つける】
実は24時間の中で皆さんは色々な事をしています。私にできることなんてない、そんな風に自分に自信が持てない方にオススメです。
・朝時間通りに起きられた
・朝食を食べた
・出勤した
それだけでもすでにできたこと3つありますね!
こんな感じで毎日これができた!ってできたことを数えていくのもオススメです!
【気持ちをアウトプットする】
今日あなたが感じたことをノートでも良いので書き出してください。
HSPは外からの刺激が入る事が多いのに、外に出す(アウトプット)が劇的に少ないことが生きづらさの原因になる一つだと想っています。
今日何を感じたのか??ジャッジをせずまずは安心して自分しか見ないノートなどに気持ちを書いてみましょう!ただ書くだけでOKです!
アウトプットすると自分の気持ちを客観的に見ることができるので少しずつ自分を知ることができます!
そして自己認識についてはこのブログだけでは伝えきれませんが、簡単にお伝えするとHSPという自分への正しい認識を深めるということです。
HSP気質というものへの正しい理解と、では自分はどういう部分が生きづらさを感じるのか??ということに向き合い、生きづらさを改善していくこと。
そのコツコツと感じるその作業こそがとても大切になります。
ブログでも役立つ内容を今後も書いていこうと想いますが、そうした知識を深めることが大切になります。
■感情の境界線を作る
共感力が人いちばい強いHSPにとって感情をコントロールするって本当に難しいと感じます。
だってほとんど無意識でそうなるので・・。
でも無意識で振り回されるからこそ、ここは意図して境界線を作る練習が必要になります。
ではどうやって境界線を作るのか??
私がオススメしたいのは、自分の周りに見えないバリアを作るイメージをする
ということです。
そんな事で境界線を作れるのか??って想いますよね??
でもこれは私は効果絶大でした!
ただイメージする前に大切なのはどんな感情を感じたいか??を決めることです。
どんな感情を自分の中に入れて、どんな感情を入れないのか??そこをはっきりと決めることです。
イライラしている感情は自分の中に必要ない!と想えばその感情は自分の中に入れない!!と決めることです。
そうすることで、目の前の人がイライラしている現実は変わらなくても
今まで必要以上にダメージを受けていた自分の心が間違いなく軽くなっていることに気づくはずです!
あまり変化に気づかない・・という方はやり方を間違えているか、決めていないか?かと想います。
■心がリラックスできるものを増やす
直接的な解決方法以外に必要なのが、あなたの心の状態を整える事です。
実はこちらの方が大切な事だったと気づくことも私自身も多いと感じています。
なぜなら心の状態を整えておくとこのような状況に出会う機会が格段に減ったからです。
心の状態を整えるために行ってきたことをいくつか載せますね。
【自然のエネルギーを感じる機会を増やす】
海や山、川、など自然からのエネルギーやパワーを感じられるのもHSPの強みであり、ぜひ活かして欲しい所です。
余暇をどう過ごすか?も大切な人生設計の中に入れていくことをオススメします。
私は最近水晶など石のパワーも強く感じられる体験をしてとても心と身体が満たされた休日を過ごすことができました。
【十分な休息を摂る】
これは疲れやすいHSPさんには必須なのではないでしょうか??
すぐ眠くなってしまうのはそれだけ身体が疲れている証拠です。
まずは身体が求めているだけ十分な睡眠を確保して下さい。
困難に立ち向かう時こそ十分な睡眠と体力が必要になります。
【バランスの取れた美味しい食事を食べる】
これは食事から得られるエネルギーもそうですが、栄養バランスの取れたものを摂取することは特に食べ物から影響を受けやすいHSPには大切な要素です。
【アロマの香りで癒やされる】
アロマの効果についてはまた別で記事を書きたいと想っていますが、HSPのアロマへの効果は絶大です!
海外では補完療法としてアロマテラピーの有効性も実証されています。
ぐるぐると頭で考えがちなHSPさんこそ、ぜひアロマを日常的に取り入れることをオススメします♡
【ヨガや瞑想を取り入れる】
HSPは呼吸が非常に浅くなっている事が多いです。
そんな時はヨガや瞑想で正しい呼吸法を身につけると身体からリラックス効果を感じる事ができます。
また瞑想の中でポジティブな言葉を自分に投げかける事で私自身もとても自己肯定感が上がった経験があります。
■大きく環境を変える
これはかなりエネルギーのいる決断かも知れませんが、世の中にはあなたがコントロールできるものとできないもの。この2択です。 コントロールできない環境で毎日のように怒っている人を見ながら過ごすのは本当につらいと思います。 本当にどうにもならないときは、職場を離れるなどして強制的に環境を変えることも大切な決断です。
ご自身のHSP気質をしっかり理解し受け入れ、対処法が身に付く事で、あなたといういいエネルギーが波紋のように周りに伝わり、気が付けば快適で素敵な環境になっている。ということもあるのですが、1日2日でできることではありません。
私の前職は保育士だったのですが、周りの環境が優しく本当に温かかったので、退職して新しい道である「HSP気質で悩む皆さんのサポートをする」という道に進むことに勇気が必要でした。
HSP気質が治ったわけではなく、私自身今も変わらずHSP気質ですが、新しいお客様に対してもお取引先に関しても、感情や意見をオープンに共有し、誤解を防ぐことで、スムーズな人間関係が保たれ、結果的にストレスを軽減することができています。
■最後に
最近はHSP気質のことを知っている方も増え、ネットの中でもその特徴は沢山目にすることは増えてきました。
でも気をつけなくてはいけないのは、それはHSPの特徴であってあなた自身全てではないということです。
HSP気質と言っても生まれた環境や今までの経験等でHSPの生きづらさは千差万別です。
インターネットの情報だけで自分を理解したとは言えないということを強く強調したいと想います。
「自分を知る」「自己受容する」というのはもしかしたら永遠のテーマであっていつまでも終わらない問でもあります。
HSPは生まれ持った気質なので、それ自体をなかったものにする・・というのは不可能です。
自分というものをしっかり認識し、自分の強みと弱みを知っていくこと、そしてその対処方法を自分の体感として得ていく事がとっても重要になります。
ですので、私はHSP女性のためのオンラインサロンの中でメンバーさんの日常のお悩みを聴きながらどうやって対処したら良いのか??を実際に行動してもらいその体感覚を得てもらうということを大切にしています!
▶HSPオンラインサロンにご興味ある方はこちらも御覧ください
最後までお読みいただきありがとございました!
この記事が素敵な毎日になるきっかけとなることを祈っています。
【この記事を書いた本宮千歳について】
本宮千歳(もとみや ちとせ) HSP、HSCの専門家。 短期大学で保育士、幼稚園教諭Ⅱ種免許取得後、保育園に勤務。
保育士として現場を15年、主任を7年勤め、現在HSPの方、HSCのお子さんをもつ親御さんへのコンサルティングを行う。2児の母。
自身がHSPということに気付いてからHSPについて様々な人や場所で学びを深め、生きやすい世界になる。 この経験をもっと多くの方に分かりやすく伝えたいと思いHSPさんのサポートや、企業へのコンサルティングを行う。
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